秘密の癒しチートがバレたら、女嫌い王太子の専属女官(※その実態はお妃候補)に任命されました!
 当時、六歳くらい。私としては、ヒラヒラした格好でお淑やかに過ごすより、短髪、ズボン姿でブロームたちと外遊びをしている方が楽しかったのだ。とはいえ、さすがに周囲の目も厳しくなってきており、ちょうどあの頃を境に私は髪を伸ばし始め、スカートを穿いて過ごすようになった。
「ブロームの意味ありげな台詞にもこれで合点がいった」
「え?」
「いや、独り言だ」
 アズフィール様は緩く首を振り、言葉を続けた。
「なにより俺の中では、あの時の少年は金髪のイメージが強かった。おそらく、光の加減などで違えた印象を抱いていたのだろうがな」
「あ、それは間違いじゃないわ。私、当時は金髪だったのよ。だけど、成長に伴って段々、色味が変わってきてしまって。今じゃこんな色になっちゃったけれど」
「こんな? 馬鹿を言うな。艶やかで、とても綺麗な色だ。俺はその髪色がとても好きだ」
 殊の外強い瞳と口調で言い切られ、驚くと共に胸がドキドキと早鐘を刻みだす。頬は熱を持って火照っていた。
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