秘密の癒しチートがバレたら、女嫌い王太子の専属女官(※その実態はお妃候補)に任命されました!
「……あ、ありがとう」
 真っ直ぐに告げられた賛辞がこそばゆくて、アズフィール様の顔が直視できず俯き加減に告げた。
「へぇ、メイサ嬢は以前は金髪だったのか」
「えぇ。前はちょうどヴァーデン王子のような金色だったの。……あ、そう言えばこの間、鍼の施術の時に気づいたんだけれど、ヴァーデン王子もサイドのあたりに少し色の濃い毛筋が交じっているのね。私も初めはそんな感じで、成長と共にそれが徐々に頭部全体に広がっていった感じよ」
「……そうだったんだね」
 ヴァーデン王子はちょっとの間を置いて、神妙な様子で頷いた。
 私の横では、アズフィール様がジジに向かい合い、鼻先を撫でながら話しかけていた。
「ジジ、その節は世話になったな。あの時の礼は、王宮に帰ったら改めてさせてもらおう。それから、帰りはメイサを俺のアポロンに同乗させる。すまんが君は、ヴァーデンを頼む」
「キュガァ」
「さぁ、メイサ。おいで」
「え、ええ」
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