秘密の癒しチートがバレたら、女嫌い王太子の専属女官(※その実態はお妃候補)に任命されました!
「なっ!? 尾っぽを伝ってだと……!?」
 アズフィール様の後ろに乗っていたので、私が先に尾っぽを伝い、地面にトンッと着地した。
 アズフィール様はひどく驚いた様子だったけれど、すぐに私に続き、地面に降り立った。
「はぁ、まさかこんな乗降方法があったとはな。……いや、そういえば君は、樹林にもこの方法で現れたんだったか」
「便利でしょう?」
「……実に畏れ入ったよ。ただし、今後はできるだけ控えてくれたらありがたい。万が一君が滑り落ちたらと思うと、俺の寿命が縮む」
 私が得意げに答えたら、予想外に真剣な言葉を返されて少し戸惑った。
「アポロン、すまんが空中で待機を頼む。できるだけ早く、聖水を取り戻してくる」
「ギュァ」
 アポロンは『承知した』というようにひと声鳴き、人目を考慮して高度を上げた。
「行こう、メイサ!」
「ええ!」
 私とアズフィール様は、アポロンが示した建物に駆けた。

< 269 / 340 >

この作品をシェア

pagetop