秘密の癒しチートがバレたら、女嫌い王太子の専属女官(※その実態はお妃候補)に任命されました!
マドレーヌ婦人は鍼の施術に大満足の様子だった。加えて「あなたといろいろお話できて楽しかったわ。なんだか心と体が軽くなっちゃった」と、こんな嬉しい言葉をくれた。
私は再訪を約束し、マドレーヌ婦人の居室を後にした。
──バタンッ。ガタガタ。
廊下を歩いていると、一階の方から騒々しい足音と焦った様子の声が聞こえてきた。
……いったい何事かしら?
ただことではなさそうな気配に、私は階段を駆け下りた。
「なんてことだ。さっき医者に寄ってきたんだが、運悪く休診日で不在だった。もしかして、ここなら医師が常駐していると思ったんだが」
「この方は私たちを落石から守ろうとしてくださって、それで自身がお腹や肩に大きな石を受けて……っ!」
一階のロビーに行くと、二十代半ばと思しき夫婦が受付の女性に懇願していた。
私は再訪を約束し、マドレーヌ婦人の居室を後にした。
──バタンッ。ガタガタ。
廊下を歩いていると、一階の方から騒々しい足音と焦った様子の声が聞こえてきた。
……いったい何事かしら?
ただことではなさそうな気配に、私は階段を駆け下りた。
「なんてことだ。さっき医者に寄ってきたんだが、運悪く休診日で不在だった。もしかして、ここなら医師が常駐していると思ったんだが」
「この方は私たちを落石から守ろうとしてくださって、それで自身がお腹や肩に大きな石を受けて……っ!」
一階のロビーに行くと、二十代半ばと思しき夫婦が受付の女性に懇願していた。