秘密の癒しチートがバレたら、女嫌い王太子の専属女官(※その実態はお妃候補)に任命されました!
「メイサ様と言いましたか。あなたのおっしゃる通りです。イザベラ様と私の間には大きすぎる隔たりがあり、決してわかり合えない、永遠に相いれないと私自身思っていたのですよ。それなのにいつしか目が離せなくなって、気づけばいつだってイザベラ様の姿を追いかけている自分がいました」
 セルジュに対し、私はイザベラ様以上にもっと不気味だと、そう感じたことがあった。セルジュに対して不気味だと感じた理由が今、わかったような気がした。
「本音を言うと、私自身も少しこの感情を持て余しています。ただ、怒りとか憎しみとか、そういったものを飛び越えて、あの方の存在が私にはまぶしい。私には永遠に届かない、憧れなのだといつしかそう理解しました」
 ……セルジュは、恐ろしいほど一途なのだ。理屈や常識、そういうものの概念を飛び越えて、いっそ不気味なほどイザベラ様に心酔している。
 一見すれば、道理の通らない感情にも思える。だけど、心は理屈じゃない。きっと、これがセルジュの愛の形なのだ──。
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