秘密の癒しチートがバレたら、女嫌い王太子の専属女官(※その実態はお妃候補)に任命されました!
「おい、あれを見ろ!」
「おお! アズフィール様が金色のドラゴンに乗って登場されたぞ!」
「なかなか登場されないので不思議に思っていたが、まさかドラゴンで現れる演出であったとは……!」
 大広間に集まっていた人々がドラゴンに乗ったアズフィール様に気づき、ワッと沸き上がった。
「アズフィール、やっと来たか……!」
 大広間の中央で熱弁をふるっていたヴァーデン王子はこちらを見ると、ホッとした様子で胸を撫で下ろしていた。王子の額には玉のような汗が浮かんでおり、この場を繋ぐために相当奮闘してくれていたことが伝わってきた。
 アズフィール様は歓声に包まれながら、ゆっくりとアポロンをバルコニーに着地させた。

***

 予定時刻から数十分が経過してもなかなか儀式が始まらず、大広間には重苦しい空気が漂っていた。しかし、俺がアポロンの背に乗って上空から華々しく登場したことで、会場内の空気は一気に好意的なそれへと変化した。
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