秘密の癒しチートがバレたら、女嫌い王太子の専属女官(※その実態はお妃候補)に任命されました!
「悪い子ね、アズフィール。どうして出てきてしまったの? かくれんぼはね、見つけてもらうまで出てきてはいけないの。悪い子にはお仕置きが必要ね」
 イザベラ様はその腕を真っ直ぐに、アズフィール様の首に向かって伸ばす。
「ごめんなさい、イザベラ姉様! 次は絶対、見つけてもらうのを待つよ。だから、許して!」
 唐突に、アズフィール様がイザベラ様に懇願した。
 アズフィール様はなにを言っているの……!? 声はたしかにアズフィール様のものなのに、なにかがおかしかった。
 禍々しいほどの朱色で塗られた長い爪が、ついにアズフィール様の首にかかる。
 アズフィール様は顔面を蒼白にして、目で見てもわかるくらいガタガタと激しく体を震わせていた。
「だぁめ。いい子だからじっとして?」
 イザベラ様は優しげな口調でアズフィール様に語りかけながら、首を掴んだ両手にギリリと力を篭めた。
「やめて!」
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