秘密の癒しチートがバレたら、女嫌い王太子の専属女官(※その実態はお妃候補)に任命されました!
「えぇっと……。私、どうしたんだっけ……?」
 横になっているのは、王宮に与えられた私の部屋のベッド。窓から覗く空は、薄っすらと白み始めていたけれど、いつ眠ったのか思い出せなかった。
「あなたは昨夜、ベランダから落ちたのよ。王宮から寄越された使者に聞かされて、生きた心地がしなかったわ。怪我がなくて、本当によかったわ」
 祖母に聞かされて、私はガバッとベッドから飛び起きた。
 ……そうだ! イザベラ様とセルジュが上でもみ合いになって、なにかの拍子で手擦りを掴んでいたアズフィール様に衝撃が加わってしまったのだろう。そして私は、アズフィール様と一緒に落下した。……だけど地面に叩きつけられる直前で、アズフィール様の胸に抱き込まれた!
「メイサ、急に起きては──」
「お祖母ちゃん! アズフィール様は!? アズフィール様は無事なの!?」
 直前の出来事を全て思い出した私は、心配そうな祖母の言葉を割り、逸る思いで尋ねた。
 ──キィイイ。
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