秘密の癒しチートがバレたら、女嫌い王太子の専属女官(※その実態はお妃候補)に任命されました!
「メイサ様。落ち着いてくだされ。アズフィール様なら、隣で休んでおります」
 私の質問に、祖父に伴われてやって来た宮廷医師のドクドール先生が答えた。
「ドクドール先生……!」
「アズフィール様はまだ目覚めておりませんが、特段外傷なども……いや。しいていえば、頭にできたたんこぶくらいです。落ちた場所が柔らかな芝生が茂る土の上だったのも幸いでした。少しずれていたら石畳でしたから、本当に危なかった」
「そうですか! よかった……」
 ドクドール先生からアズフィール様の状態を聞かされて、私はホッと胸を撫で下ろした。
「メイサ様は痛むところなど、不調はございませんかな? どれ、失礼」
 先生は私の枕辺まで歩いてきて、ひと声かけてからそっと額に手をあてた。
「大丈夫です。落下の瞬間は、アズフィール様が庇ってくれていましたから」
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