秘密の癒しチートがバレたら、女嫌い王太子の専属女官(※その実態はお妃候補)に任命されました!
「ご主人、移動の際、できるだけ振動を与えたくありません。こちら側を支えますので、一緒に運びましょう」
「あ、ああ」
私のワンピースが男性の左肩から流れる血で赤く汚れるのを見て、ご主人は一瞬だけギョッとしたように目を見張ったが、すぐに頷いて前を見据えた。
「もう少しよ! がんばって!!」
男性の呼吸に力がなくなっているのに気づき、最大限の注意を払いながら足を早めた。
そうして私はご主人とふたりで男性を空き部屋のベッドに横たえた。養老院のスタッフも慌ただしく走り回り、水を張ったタライやタオル、木綿のさらし布などを用意してくれた。
受付の女性から預けていた鞄を受け取ると、皆に告げる。
「すみません、ここからの処置は私ひとりにしてください!」
私のこの言葉に、ご主人や治療道具を揃えてくれたスタッフたちは怪訝そうに顔を見合わせた。
「で、ですが、ここにいればなにか手伝えることもあるかもしれませんし……」
「あ、ああ」
私のワンピースが男性の左肩から流れる血で赤く汚れるのを見て、ご主人は一瞬だけギョッとしたように目を見張ったが、すぐに頷いて前を見据えた。
「もう少しよ! がんばって!!」
男性の呼吸に力がなくなっているのに気づき、最大限の注意を払いながら足を早めた。
そうして私はご主人とふたりで男性を空き部屋のベッドに横たえた。養老院のスタッフも慌ただしく走り回り、水を張ったタライやタオル、木綿のさらし布などを用意してくれた。
受付の女性から預けていた鞄を受け取ると、皆に告げる。
「すみません、ここからの処置は私ひとりにしてください!」
私のこの言葉に、ご主人や治療道具を揃えてくれたスタッフたちは怪訝そうに顔を見合わせた。
「で、ですが、ここにいればなにか手伝えることもあるかもしれませんし……」