秘密の癒しチートがバレたら、女嫌い王太子の専属女官(※その実態はお妃候補)に任命されました!
「出自の危うい私が相手では、きっと陛下が了承してくださらない」
「その心配は不要だ。父上は君に腰痛を治してもらって以来、君との結婚に大賛成だ。顔を合わせる度、さっさと君をモノにしろと俺に発破をかけてくる」
「待ってちょうだい。私が陛下を治しただなんて、なにかの間違いじゃないかしら」
「そんなわけはない。父は中庭で出会った君に、鍼をしてもらったと言っていた」
 メイサは少し考え込むように、目線を下げた。
「中庭で? そう言えば、王宮に来たばかりの頃、早朝の中庭で庭師の男性に施術したことがあったけれど……」
「それが父だ」
「っ! ……なんてこと、てっきり庭師だとばかり」
 メイサは右の手でこめかみのあたりを押さえた。
「父は花壇の世話を早朝に行うのを趣味にしていてな。そういうわけで、俺たちの結婚を阻む障害にはなり得ない。母だって同じさ」
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