秘密の癒しチートがバレたら、女嫌い王太子の専属女官(※その実態はお妃候補)に任命されました!
「……本音を言うと、あなたの気持ちが嬉しいの。だけど、私はお妃様に相応しい淑女になれない。自由でいたいの。制約の多い暮らしで、やっていける自信がないわ」
 メイサが俺自身を思ってくれている。聞かされて、俺の胸に広がったのは深い喜び。
 そして彼女が口にした不安は、そもそも不安ですらない。俺は淑女を望んではおらず、メイサになんら制約を求める気もないのだから。
「そのままの君でいい。妃になったからといって、型に嵌ろうとする必要はない。君は自由でいいんだ」
 メイサは目を見開いて、その瞳に俺を映していた。
「だが、自由なのは君だけじゃない。俺も同じだ。実を言うと、俺は今日まで大きな勘違いをしていたんだ。王に自由はないと、そう思っていた。だが、そうではないと気づいた。王としてどうあるべきかは、他ならない俺自身の思いで決める。俺の意思でもって、俺なりに最善の王の姿を模索していく」
 俺は一旦、メイサの肩に添えた手を解くと、ベッドから立ち上がった。
「アズフィール様……?」
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