秘密の癒しチートがバレたら、女嫌い王太子の専属女官(※その実態はお妃候補)に任命されました!
「それはいけないこと? 家族を愛して、その裏切りに心を痛めているあなたを弱いと言うのなら、私は弱い人の方がいい。愛を知らない強い人より、ずっといい」
「君は温かいな。弱さも含め、俺の至らなさを、君はいとも簡単に包み込んでしまう。……そんな君が、俺にはまぶしい。そして俺の人生には、君という光が必要だ」
「え?」
 俺は一旦抱擁を解くとメイサの両肩を掴み、真っ直ぐに彼女の瞳を見つめて口を開いた。
「メイサ、改めて言うよ。君無しの人生は考えられない。今後も隣で、俺を助けていってくれ」
「それって……?」
 メイサは困惑と期待が滲んだような表情で俺を見上げた。
「俺の妻になってほしい」
「待って、アズフィール様。私の治癒の力が目当てなら、私なんかを妃にしなくとも──」
「そんなものはなくてもいいんだ。能力について公表するつもりもない。君が伏せておきたいなら、その能力は永遠に俺の胸に秘めておく」
 メイサの言葉を割り、キッパリと告げた。
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