秘密の癒しチートがバレたら、女嫌い王太子の専属女官(※その実態はお妃候補)に任命されました!
「ふむ。別におだてたつもりはないのだがな」
 なんにせよ、『妹の婚約』という事情が無ければ隣国王子がわざわざ婚約式にまで駆けつけることはなかっただろう。私としては再びヴァーデンお兄様に会えて、大ラッキーである。
「それにあなたの叔父様もウォールド王国からいらっしゃるんじゃなかったかしら……えぇっと、お名前をなんと言ったかしら?」
「ロディウスだ。きっと彼とメイサは気が合う。手紙で婚約を伝えたら、君と会うのを心待ちにしていた」
「たしか、アズフィール様がメイジーの町を訪れたきっかけにもなった方だったわよね。そう考えると、私たちの恋のキューピッドとも言えるのかしら?」
「うっ、やめてくれ。ロディウスがキューピッドなど、目眩がする」
「ふふふっ」
 思うところがあったのか、アズフィール様は苦い顔をしてこめかみのあたりを押さえていた。
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