秘密の癒しチートがバレたら、女嫌い王太子の専属女官(※その実態はお妃候補)に任命されました!
 彼女の温もりに触れた瞬間、理屈ではなく魂が震えた。それと同時に、さっきまで静かに死を受け入れようとしていたのが嘘のように、生への執着に心が狂おしく叫んでいた。
 ……嫌だ! 死にたくないっ!!
 俺は生きて確かめたい! 彼女なら、俺の凝り固まった心と体を溶かせるかもしれない。普通の男女のように心と体を寄せ合って過ごす未来が、彼女となら得られるのではないか!?
 彼女は俺の希望だ。……頼む。俺から未来を奪わないでくれ!
 湧き上がる生への欲求が、苦しいほどの熱量で俺を駆り立てる。
 俺は、生きたいんだ。
 なんとしても生きて、彼女と──。
 無情にも、ここまで必死に繋いできた意識の糸が途切れる。
「がんばって!!」
 消えゆく意識の中、凛と響く彼女の声を聞いたような気がした──。

 意識を失った俺は、昔のことを夢に見ていた。
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