秘密の癒しチートがバレたら、女嫌い王太子の専属女官(※その実態はお妃候補)に任命されました!
 直後──。
『っ、うわぁあっ!!』
 俺は目前に迫る岩を認め、叫び声をあげながら飛び退くように洞の奥に顔を引っ込めた。
 ──ドスンッッ!
 ギリギリのところで激突を免れたが、岩はすごい衝撃で洞の入口あたりに直撃した。
『っ、助かった! ……でも、これじゃあ外に出られないよ。なんとかどかさなくちゃ』
 どうやら、さっきの岩が斜面を転がってきたらしかった。しかも間が悪いことに、落ちてきた岩が洞の入口をすっぽりと塞いでしまっていた。暗がりの中、なんとか岩をどかそうと必死に押した。けれど、傾斜のせいもあってか、岩はびくともしなかった。
 ……だめだ。全然動いてくれない。
 こうなってしまっては、事はもうかくれんぼどうこうの話ではない。
 俺は姉たちに助けを求めることにした。
『イザベラ姉様ー! メアリ姉様ー! 助けてー!!』
 大きな声で叫び、姉たちの返答を待つが、一向に反応がない。どうやら俺の声は岩に塞がれてしまい、遠くまでは聞こえていないようだった。
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