秘密の癒しチートがバレたら、女嫌い王太子の専属女官(※その実態はお妃候補)に任命されました!
 真っ暗だった視界が一気に明るくなって、暗褐色の瞳で心配そうにこちらを見下ろす六歳くらいの少年が目に飛び込んでくる。
 目にした瞬間、トクンと鼓動が跳ねた。一見で少女かと思ったが、その子は金髪を耳のあたりで切りそろえており、長袖のブラウスに長ズボンという恰好。その出で立ちは、到底、少女ではあり得なかった。そして少年は、中身がぺたんこの大きな袋を背負っていた。
 その隣には、金髪の子と同年くらいの赤毛の少年もいた。
『あぁ、よかった! ちょっと乱暴だったかもしれないけど、ジジ……あ、ジジっていうのはうちのドラゴンね。とにかく、ジジに頼んで正解だった』
 チラリと空を見ると、見慣れぬ風体の銀色ドラゴンが、ゆらーりゆらーりと長い尾っぽを宙に泳がせながら、木のてっぺんギリギリを飛行していた。
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