秘密の癒しチートがバレたら、女嫌い王太子の専属女官(※その実態はお妃候補)に任命されました!
 それから俺は、少年たちと一緒に夢中で草をかき分けて探した。目当ての植物を見つけた時は、三人でハイタッチして喜び合った。俺にとって、こんなに楽しい時間を過ごしたのは初めてのことだった。
 そうして真上にあった太陽が西にだいぶ傾いてきた頃、メアリ姉様の呼び声を少し先に聞き、俺は後ろ髪引かれる思いで少年たちと別れた。
 メアリ姉様たちと合流した時、俺がなかなか見つからなかったために鬼役だったメアリ姉様はもちろん、他のふたりの姉も疲れた様子だった。メアリ姉様たちから『こんなに暗くなる前に、もっと早く出てきてくれればよかったのに』と口々に小言をもらいながら、俺はそれならば居場所を知っていたイザベラ姉様が来てくれたらよかったのに……と少しだけ不満に思った。
 チラリと見上げると、イザベラ姉様がスッと隣にやって来て、俺の左手を握った。角度が悪かったのか、この時姉がどんな表情をしていたのかは、よくわからなかった。
< 66 / 340 >

この作品をシェア

pagetop