秘密の癒しチートがバレたら、女嫌い王太子の専属女官(※その実態はお妃候補)に任命されました!
腹についても、ドクドールに押し切られる形で診せることになった。痣ひとつない腹部を診たドクドールは、怪訝そうに首をかしげていた。
「……ふむ。夫人からは『かなりの衝撃で落石を受けていた』と聞いていたのですが、たしかになんともありませんな」
「掠めただけだ。夫人の位置からは、そう見えたのだろう」
ドクドールはやや納得いかなそうではあったが、触診していた手を引っ込めた。
「ところでアズフィール様、どうしてメイジーの町……それも大衆の温泉宿になど向かっていたのです?」
「お前にだから言うが、ロディウス叔父上が滞在していると聞いてな。それで、訪ねようとしたんだ」
俺のこの言葉に、ドクドールはギョッと目を見張った。
「ロディウス様!? ……いやいや、それはおかしい!」
「どうした?」
「私は昨日、ロディウス様とグリニーズでお会いしているんですよ」
グリニーズというのは、隣国ウォールド王国との国境の町だ。ここからだと、ドラゴンを高速で飛ばしても半日はかかる。
「……ふむ。夫人からは『かなりの衝撃で落石を受けていた』と聞いていたのですが、たしかになんともありませんな」
「掠めただけだ。夫人の位置からは、そう見えたのだろう」
ドクドールはやや納得いかなそうではあったが、触診していた手を引っ込めた。
「ところでアズフィール様、どうしてメイジーの町……それも大衆の温泉宿になど向かっていたのです?」
「お前にだから言うが、ロディウス叔父上が滞在していると聞いてな。それで、訪ねようとしたんだ」
俺のこの言葉に、ドクドールはギョッと目を見張った。
「ロディウス様!? ……いやいや、それはおかしい!」
「どうした?」
「私は昨日、ロディウス様とグリニーズでお会いしているんですよ」
グリニーズというのは、隣国ウォールド王国との国境の町だ。ここからだと、ドラゴンを高速で飛ばしても半日はかかる。