不屈の御曹司は離婚期限までに政略妻を激愛で絡め落とす
紗那の友情に感謝しながら、残っている料理をぱくぱくと口に頬張る。
さっきまで見ていた光景は一旦忘れよう。明日からは斗馬さんと思い切り笑い合って、最高の思い出を作るんだもの。
そしてベッドの上で、斗馬さんにすべてを捧げるの。
こんな状況で覚悟が決まるなんて不思議だけれど、やると決めたからには、斗馬さんに失望されたくない。初めての私でも、妻の役目をきちんと果たせますように――。
謎の女性の存在を斗馬さんに確かめないまま、翌日の夕方には新婚旅行へ旅立った。
クルーズ船の出発地であるスペインのバルセロナまでは、羽田から飛行機で二十時間強。
斗馬さんが夫婦や恋人向けの個室、スイートクラスを押さえてくれたたためおしゃべりもしやすく快適で、機内では昨日食べ損ねた和食を会席料理で楽しんだ。
新婚旅行のお祝いにふたりでクリュッグを一本空け、目的地に着く前からふわふわと幸せな気持ちに包まれる。幸先のいい旅の始まりだ。