不屈の御曹司は離婚期限までに政略妻を激愛で絡め落とす
実は、残念だったのは初夜を逃したことだけではないのだ。
私たちが今乗っているクルーズ船は、プールや小さなゴルフ場、ナイトクラブ、カジノ、劇場、スパと、ありとあらゆるアミューズメントが用意されている。
途中で地中海沿岸の国々にも立ち寄るが、このクルーズ船自体が巨大な観光施設のようなもの。初日もどれかひとつくらい楽しみたかったのに、寝過ごしてしまうなんて本当にもったいなかった。
「そんなに落ち込むなよ千帆。今日も天気がいいから、昼間はプールで楽しむのはどうだ?」
隣でカフェオレを飲んでいた斗馬さんが提案する。
そうだよね。暗い気持ちを引きずって旅行を楽しめなかったら、それこそ時間がもったいない。
「はい、ぜひ!」
元気を取り戻した私は、朝食を終えるとさっそく寝室で水着に着替えた。
服のように着られるワンピースタイプの水着は、シンプルな黒。肌を露出する面積がそれほど多くないとはいえ、太腿や肩は見えている。斗馬さんの前に出て行くのは、少しの緊張を伴った。