不屈の御曹司は離婚期限までに政略妻を激愛で絡め落とす

 挑発するように甘く囁いた斗馬さんは、掴んだままでいる私の手を勝手に動かし、肌の上を滑らせる。

 硬い筋肉の感触や私よりも高い体温にドキドキして、私はもういっぱいいっぱい。涙目になりながら、彼に懇願する。

「斗馬さん、もう許してください。あなたの肌に触れると、変な気持ちになります……っ」

 女の私とは種類の違う、強く雄々しい肉体美。その匂い立つような色気にあてられて、体中が熱くなってくる。

 斗馬さんはふっと苦笑すると私の手を解放し、その代わりに優しく私を抱き寄せた。

「千帆」
「……は、はい」
「プールでひと泳ぎしたら、千帆の言う〝変な気持ち〟――もっと育ててみるか」
「えっ?」

 おそるおそる顔を上げ、斗馬さんを見る。甘さと同じくらい危うい熱を孕んだ、斗馬さんの瞳と視線がぶつかる。

「覚悟は決めてきたんだろう? それに、こんなに体が熱くなってる。千帆はきっと、自分でも知らない間に俺を欲しがっているんだ」
「そ、そんなこと……」

 欲しがっている、なんて言われて肯定できるわけがない。でも、相変わらず体は熱い。これって、斗馬さんを求めているからなの……?

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