不屈の御曹司は離婚期限までに政略妻を激愛で絡め落とす
彼は戸惑うばかりでなにも言えない私の頭をポンポン軽く叩いて、耳のそばでそっと囁く。
「俺はプールに行かず今からでもいいけどな」
「そ、それは待ってください……! プールも楽しみにしてたんです、私」
「プール〝も〟、ということは、やっぱり俺に抱かれるのも――」
「もう! 斗馬さん嫌いです! 先に行ってますから、私!」
ガバッと彼から身を剥がし、ぷりぷりしながらリビングを出る。すると斗馬さんが慌てて後を追ってきて、私の手首を掴む。
「待て。水着姿のきみをひとりで歩かせられるわけがないだろう」
ムスッとしている私は、返事をしない。彼を無視してつかつかと歩いていると、部屋を出る直前で強引に振り向かされ、顎を掴んでキスをされた。
「悪かったよ。頼むから怒らないでくれ」
たくさん意地悪をされたはずなのに、たった一度のキスに絆されてしまう。私の機嫌を直したくて、困り果てたように眉を下げた表情が愛おしい。
悔し紛れに自分からもチュッと軽いキスを彼にお見舞いする。斗馬さんは意表を突かれたように目を丸くし、それからじわじわと頬を赤く染めた。
なんだかこちらまで恥ずかしくなる。