不屈の御曹司は離婚期限までに政略妻を激愛で絡め落とす
「い、いつもの仕返し……です」
目を逸らしてそんな言い訳をすると、頭上からため息が落ちてくる。おずおず視線を上げたら、斗馬さんはボソッと呟く。
「無自覚の挑発、または色仕掛けの間違いだろう……」
「えっ?」
「なんでもない。とにかく、俺から離れるなよ」
よく意味が分からず聞き返したけれど、斗馬さんは軽くはぐらかして私の手をギュッと握り、客室を出てプールに連れていった。
「おいで、千帆。観念してびしょ濡れになるしかない」
「あ、あのう……やっぱり、ちょっと待ってください」
強引に私の手を引く斗馬さんに、抵抗する。船上でこんなスリルのある初体験が待っているとは思わなかった。
完全に腰が引けている私に、斗馬さんが甘く囁く。
「ここまできて逃げるな。一緒にいけば怖くない」
「最後まで抱きしめていていてくれますか?」
「あたり前だ。ほら、体の力を抜いて……」
私は息を止め、ギュッと目を閉じる。
次の瞬間、斗馬さんに後ろから抱きしめながら、船上のウォータースライダーを猛スピードで滑り降りていった。