不屈の御曹司は離婚期限までに政略妻を激愛で絡め落とす
「いゃぁ~~っ!」
私の甲高い悲鳴が、青空にこだまする。三十秒も経たないうちに、ざぶんと音を立ててプールに着水した。
し、死ぬかと思った……。
体半分を水に浸けたまま、プールサイドにもたれて放心する。
「大丈夫か? 千帆」
「大丈夫に見えますか?」
ちゃぷちゃぷと音を立て、水中を歩いて近づいてきた斗馬さんが、恨めしげな私の顔を見て苦笑する。
「休憩するか。飲み物を調達してくるが、一緒に来れるか?」
「いえ……私は待ってますので、お願いします」
「仕方ない。すぐに戻るから、知らない人について行くんじゃないぞ」
夫というより親のような過保護っぷりで言い残し、斗馬さんは少し離れたドリンクショップの方へと歩いていく。
その姿を見送り、恐怖で乱れていた脈拍が落ち着いてきた頃、私はプールサイドに上がった。
空いているビーチベッドを探して横になり、ホッとひと息つく。青空をゆっくり白い雲が流れていくのを見ていると、ウォータースライダーで感じた恐怖も次第に薄れていった。