不屈の御曹司は離婚期限までに政略妻を激愛で絡め落とす

「しかも、夕飛さんの元恋人って言いました?」
「ああ。四年前に一度別れてしまったふたりの仲を取り持つために、あの日は三人で食事をする約束だったんだ。夕飛が仕事のトラブルで来られなくなったから食事は延期になったが、今では無事に復縁している」

 三人で食事を……。あの場に夕飛さんも来る予定だったなら、彼らがいたのが四人席だったのも頷ける。

 ということは、佐藤くんが話していたイケメンすぎるパイロットって、夕飛さんのことだったんだ。嘘みたいな繋がりがこんなところにもあるなんて。世間って狭い……。

 でも、これですべての疑問に答えが出た。

 斗馬さんはやっぱり、なにも悪いことをしていなかった。なのに、私……。

「千帆」
「……はい」
「俺がこの手で幸せにしたいと思うのは、生涯、きみひとりだ。なにも不安がる必要はない」

 鋭い切れ長の目に情熱を湛え、斗馬さんがハッキリと誓ってくれる。

 斗馬さんはずっと言葉でも行動でも愛を伝えてくれていた。なのに勝手に勘違いして、二度も離婚を突きつけた私に愛想をつかさないでくれるなんて……。

「本当にごめんなさい、斗馬さん。それと、ありがとう」

 心からの感謝を伝えると、彼が再び私を抱き寄せる。

 長い長い回り道だったけれど、斗馬さんが注いでくれる愛情が途切れたことは一度もない。

 この三カ月余りという期間は、私たちが本物の夫婦になるために、必要な寄り道だったんだと、そう思うことにした。

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