不屈の御曹司は離婚期限までに政略妻を激愛で絡め落とす
「素敵……。数部屋しかないスイートルームって人気ですぐに埋まってしまいますけど、オフシーズンを利用して限定数組のラグジュアリーツアーを企画したら喜ばれるかもしれませんね。結婚記念日や誕生日のお祝いに」
インテリアを眺めながらゆっくりリビングを横切り、窓辺に立ったところで斗馬さんを振り返る。
彼はデスクの上にキーを置き歩み寄ってくると、後ろからギュッと私を抱きしめた。途端に体が熱を持ち、心臓が早鐘を打つ。
「この状況で仕事の話をするとは余裕だな。ふたりきりになれて舞い上がっているのは俺だけか?」
耳元で、少し不満そうに囁く斗馬さん。見た目には舞い上がっているようには見えないけれど、心の中ではそうらしい。
こんな風に斗馬さんが甘えた態度を見せるのは、きっと私の前でだけ。そう考えると、胸に幸福な気持ちが広がる。
「そんなことないです……。私も、ドキドキしてます。仕事の話をしたのは、むしろ照れ隠しというか」
「なるほど。かわいらしい発想だが……無駄な抵抗だ」