不屈の御曹司は離婚期限までに政略妻を激愛で絡め落とす
斗馬さんは船好きが高じて一級小型船舶操縦士のライセンスを持っており、全国各地のマリーナに自分の船を置いているそう。
仕事が忙しくて乗る機会はあまりないが、いつでも好きな時に乗れるよう、マリーナで管理してもらっているんだとか。
私が乗せてもらったのは真っ白な小型クルーザー。大きなクルーズ船やフェリーよりダイナミックな乗り心地でちょっぴり怖かったけれど、潮風や波の飛沫が直に感じられて気持ちがいい。
明るいうちは沖まで出てただただ海の広さに感動したり、陸からは見えないあらゆる場所からの景色を楽しんだり。そして辺りが暗くなって来ると、斗馬さんはまた海岸の方へ戻り、海上のある場所で船を止めた。
マリーナに戻るのだとばかり思っていたので不思議に思っていると、陸の方から突然、ひゅるる……と花火が打ちあがる音がした。
「えっ?」
音のした方を見上げた瞬間、空にパッと大輪の花が開く。一発目が消えたと思ったら、次は二発目と三発目が同時に空を彩る。
その光景は揺れる水面にも映って、辺り一帯が色とりどりの光に包まれた。
海上から花火を見る体験は初めてだったので、私は興奮して操舵室の斗馬さんに呼びかける。