不屈の御曹司は離婚期限までに政略妻を激愛で絡め落とす

 そう思ってジッと空を見つめていると、ふいに斗馬さんが私の手を取り、ギュッと指を絡めて握った。花火に照らされて煌めく瞳に、優しく見下ろされる。

「誕生日おめでとう、千帆。これからも毎年、きみの誕生日を祝えることが幸せだ」
「斗馬さん……」

 感動的なお祝いの言葉をもらって、胸に熱いものがこみ上げる。

 気の利いた返事もできずにただ瞳を潤ませていると、彼がポケットから小さな箱を取り出した。

 リボンのかかったその箱には、有名なジュエリーブランドのロゴが刻印されている。

「気に入ってもらえるといいが」
「花火のほかにプレゼントまで? たくさんお祝いしてもらって、なんだかすみません」
「相変わらず控えめだな千帆は。ま、そんなところも好きなんだが」

 クスクス笑う彼に見守られながら、受け取った箱のリボンを解く。

 そっとふたを開けてみると、船の(いかり)をかたどった中に小ぶりなダイヤがいくつも輝く、かわいらしいピアスが。

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