不屈の御曹司は離婚期限までに政略妻を激愛で絡め落とす

 ぽかんと瞬きを繰り返していると、フィナーレを迎えたようにたくさんの花火が一気に打ち上がる。

 体の芯まで響くような音が激しく鳴り響き、カラフルな光が昼間のように空を明るくする。

「わぁっ」と呟いて空を見上げた直後、視界が暗くなって、斗馬さんのやわらかな唇が私のそれに重なる。

 甘い感触に浸りつつ目を閉じると、花火の音にも負けないくらい、自分の心臓が暴れている音が聞こえた。

「これからは、数えきれないほど夫婦でキスをしような」

 ……ああ、思い出した。

 その懐かしいセリフを斗馬さんに言われた瞬間、結婚式から今日までの色々なシーンが頭の中を駆け巡る。

 楽しいことより不安の方が多かったかもしれない。時には涙を流すことさえあった。

 それでも、こうして彼と心が通じ合えた今は――。

「はい!」

 満面の笑みで頷き、今度は自分から背伸びをして斗馬さんに口づけする。

 彼がくれた記憶や気持ちは、どれもが愛おしく大切なもの。

 花火のように色とりどりな光で私の心を照らす、一生の宝物だ。

                                    


FIN


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