毒令嬢と浄化王子【短編】
ハーバンが今度はちょっとだけかわいそうな子を見る目をする。
なんだよ、失礼だな。
「貴族令嬢には、感情が顔に出る者は少ないですし、新鮮でしょうね。しかも、殿下の浄化能力で表情が出ると言っても悟りを開いたような顔か、後悔に打ちひしがれるような顔ばかりですもんね……」
ああ、そういえば、貴族令嬢は皆同じような顔に見えると思っていたけれど、それは表情を顔に出さずに似たような薄ら笑いを浮かべているからか。
何も、僕が浄化しちゃうからばかりということでもないんだ。
いや、まぁもす、ミリアが僕の隣に並んでくれたら、ミリアも王妃教育だとかなんだとか受け手あの皆と同じような表情をするようになるのかな……。
うん、それはいいな。
あの可愛い顔は僕以外には見せたくない。皆の前ではあの能面みたいな顔してくれたほうがいいや。
「とにかく、可愛いだけじゃなくて、今日はすごかったんだよ。」
街であった出来事をハーバンに言って聞かせる。
ミリアの素晴らしさは言葉なんかでは言い表せないのは知っているけれど……。
彼女が自分は街を追放される覚悟をしながらも人々を救った話。彼女があれほどてこずっていた人々の救出をあっという間に成し遂げてしまった話を聞いてハーバンは、うんと大きく頷いた。
「思った通りですね。彼女はこの国には無くてはならない方のようです」
ハーバンの言葉に、大きくうなずく。
「そうだよ。ミリアのように素晴らしい女性は国の宝だよ」
「いえ、そういう話ではなく……。除草のことを聞いたときから思っていたのですよ。それが、今回大きな木材までもあっという間に枯らしてしまったと。殿下もご存知でしょう。我が国の問題点を」
突然国の問題点を問われて、首をかしげる。
「色々あるが……どの問題点の話だ?」
「農地不足の問題です。人口増加に伴い農地が不足しています。現状、隣国から食料を輸入していますが戦争でも起きれば食料を自国で賄えない我が国は圧倒的に不利でしょう」
「ああ、そうだな。だから耕作に向いた山林を切り開いて農地を増やしているところじゃないか」
ハーバンがうんと頷いた。
「そういうことか……」
ここでハーバンが言いたいことが理解できた。
開墾で一番人手を要するのは根の掘り起こしだ。
なんだよ、失礼だな。
「貴族令嬢には、感情が顔に出る者は少ないですし、新鮮でしょうね。しかも、殿下の浄化能力で表情が出ると言っても悟りを開いたような顔か、後悔に打ちひしがれるような顔ばかりですもんね……」
ああ、そういえば、貴族令嬢は皆同じような顔に見えると思っていたけれど、それは表情を顔に出さずに似たような薄ら笑いを浮かべているからか。
何も、僕が浄化しちゃうからばかりということでもないんだ。
いや、まぁもす、ミリアが僕の隣に並んでくれたら、ミリアも王妃教育だとかなんだとか受け手あの皆と同じような表情をするようになるのかな……。
うん、それはいいな。
あの可愛い顔は僕以外には見せたくない。皆の前ではあの能面みたいな顔してくれたほうがいいや。
「とにかく、可愛いだけじゃなくて、今日はすごかったんだよ。」
街であった出来事をハーバンに言って聞かせる。
ミリアの素晴らしさは言葉なんかでは言い表せないのは知っているけれど……。
彼女が自分は街を追放される覚悟をしながらも人々を救った話。彼女があれほどてこずっていた人々の救出をあっという間に成し遂げてしまった話を聞いてハーバンは、うんと大きく頷いた。
「思った通りですね。彼女はこの国には無くてはならない方のようです」
ハーバンの言葉に、大きくうなずく。
「そうだよ。ミリアのように素晴らしい女性は国の宝だよ」
「いえ、そういう話ではなく……。除草のことを聞いたときから思っていたのですよ。それが、今回大きな木材までもあっという間に枯らしてしまったと。殿下もご存知でしょう。我が国の問題点を」
突然国の問題点を問われて、首をかしげる。
「色々あるが……どの問題点の話だ?」
「農地不足の問題です。人口増加に伴い農地が不足しています。現状、隣国から食料を輸入していますが戦争でも起きれば食料を自国で賄えない我が国は圧倒的に不利でしょう」
「ああ、そうだな。だから耕作に向いた山林を切り開いて農地を増やしているところじゃないか」
ハーバンがうんと頷いた。
「そういうことか……」
ここでハーバンが言いたいことが理解できた。
開墾で一番人手を要するのは根の掘り起こしだ。