毒令嬢と浄化王子【短編】
木を切り倒す作業は慣れれば一人で一日に何本も出来る。だが、地中深く広くに根をはった木の、その根を掘り起こして取り除く作業はそう簡単ではない。
1日で一人が掘り起こせる木の根は数本。大木ともなれば何人がかりで何日もかかることさえある。
開墾には農民や兵たちに当たらせているが、サボっているわけではないのに人口増加に全く追い付かないのだ。
「根を一瞬で枯らしてしまえるなら、開墾スピードはとんでもなく上がるでしょう」
確かに。
「もし、万が一毒が大地に残るようなことがあっても、殿下が浄化すれば済むのですから、もう、二人は最強ペア間違いないです」
「そ、そうか、僕とミリアは最強」
二人だから最強。なんだか嬉しい言葉にニマニマと顔が緩む。
「それで、殿下はミリア嬢のハートは射止められそうですか?」
ん?
「えーっと……」
「どんな話をしましたか?デートに誘えましたか?」
色々と思い出す。
「ケーキを一緒に食べようと声をかけた」
「ほうほう、それで」
「断られた」
「はぁ?」
「街の案内をしてほしいと頼んだ」
「それで?」
「……もう、案内は必要ないと言われた」
「……殿下ぁー!この甲斐性なしの唐変木のすっとこどっこいが!」
ハーバンに罵られて、思わずちょっと口元が緩む。
いや、だから、浄化されずに言いたいことを言ってくれる数少ない人だから、つい、嬉しくて。
「笑ってる場合ですかぁ!まったく!どの面下げて、帰って来た?ああ?女受けしそうな恵まれた顔面してんのに、なっさけないっ!」
ハーバンが大きくため息をつきながらも、僕がミリアと仲良くなるための計画を色々と考えてくれた。
今度は偶然ではなく、おいしいケーキを持ってミリアの家を訪ねることになった。
今度は断られずに、一緒にお茶が飲めるといいな……。
1日で一人が掘り起こせる木の根は数本。大木ともなれば何人がかりで何日もかかることさえある。
開墾には農民や兵たちに当たらせているが、サボっているわけではないのに人口増加に全く追い付かないのだ。
「根を一瞬で枯らしてしまえるなら、開墾スピードはとんでもなく上がるでしょう」
確かに。
「もし、万が一毒が大地に残るようなことがあっても、殿下が浄化すれば済むのですから、もう、二人は最強ペア間違いないです」
「そ、そうか、僕とミリアは最強」
二人だから最強。なんだか嬉しい言葉にニマニマと顔が緩む。
「それで、殿下はミリア嬢のハートは射止められそうですか?」
ん?
「えーっと……」
「どんな話をしましたか?デートに誘えましたか?」
色々と思い出す。
「ケーキを一緒に食べようと声をかけた」
「ほうほう、それで」
「断られた」
「はぁ?」
「街の案内をしてほしいと頼んだ」
「それで?」
「……もう、案内は必要ないと言われた」
「……殿下ぁー!この甲斐性なしの唐変木のすっとこどっこいが!」
ハーバンに罵られて、思わずちょっと口元が緩む。
いや、だから、浄化されずに言いたいことを言ってくれる数少ない人だから、つい、嬉しくて。
「笑ってる場合ですかぁ!まったく!どの面下げて、帰って来た?ああ?女受けしそうな恵まれた顔面してんのに、なっさけないっ!」
ハーバンが大きくため息をつきながらも、僕がミリアと仲良くなるための計画を色々と考えてくれた。
今度は偶然ではなく、おいしいケーキを持ってミリアの家を訪ねることになった。
今度は断られずに、一緒にお茶が飲めるといいな……。

