公爵の娘と墓守りの青年
「まぁ、そうだな。その理由でしか来ないだろ、この場所に」
レグラスの言葉に頷き、ビアンは言い放った。
「ひどっ。そこはさ、ちょっとくらい優しい言葉を投げ掛けてくれよ。俺、結構、繊細なんだぞ」
「……とにかく、過去を見せろ」
さらりと流し、ビアンは脅すように言った。
「俺、泣いてもいい……? 泣いても無視だよな、きっと。で、何時の頃から見たいんだ?」
深い溜め息を吐き、レグラスはネレヴェーユ達に問い掛けた。
「出来れば、カエティスが子供の頃くらいからが見たいな。気になることがあるからさ」
呆気に取られているリフィーア達の代わりにエマイユが答えた。
「子供の頃、ねぇ……。分かった。時間がないようだし、俺が頃合いを見て適当な時間に飛ばしていく形でいいか?」
「ありがとうございます、レグラス。とても助かります」
「良いってことよ。俺とネレヴェーユちゃんとの仲じゃん」
にこやかに笑い、レグラスは胸を張った。
「……カエティスに言っちゃおう♪」
ニヤリと笑みを浮かべ、エマイユは呟いた。