公爵の娘と墓守りの青年



墓地の門をくぐり、リフィーアはカイとビアンが住む小屋へ向かった。
覆い茂る木々の間にある舗道を通り、たくさんの墓が並ぶ広場に入る。
その広場の奥まったところにある、木々の間にひっそりと立っている小屋に真っ直ぐ向かおうとして、リフィーアは足を止めた。

「あれ……?」

リフィーアは眉を寄せた。
先客がいる。
茶色の髪の青年が、少し大きな緑色の目をじっとカイを見つめている。
その彼に見つめられているカイは困ったように立ち尽くしている。カイの横にいたビアンがリフィーアに気付き、近付いてくる。

「……あれほど言ったのに、お前は聞く気がないのか」

小さくリフィーアにだけ聞こえる声でビアンは言った。その声はとても不機嫌だ。

「その理由をカイさんとビアンさんに聞きに来たんです」

ビアンの言葉にムッとしながら、リフィーアは言い返した。

「ところで、あの人は誰なんですか?」

「さぁな。興味がないから俺は知らん」

そう答えつつも、ビアンはカイをじっと見つめる青年に目を向けた。

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