公爵の娘と墓守りの青年
「さっきって、もう?!」
「はい。なので、楽しみにしてます、ネリーさん!」
にこやかに微笑み、リフィーアはカイ達を見回した。
「それでは、私はこれで! また来ますね、カイさん」
「え? あ、うん。またおいで、リフィーアちゃん」
笑顔でぺこりとお辞儀をして、リフィーアは門へと歩いて行った。
カイは穏やかな笑みを浮かべ、姿が見えなくなるまで彼女を見送った。
そのカイをネレヴェーユはじっと見つめている。
穴が空くくらい見つめるネレヴェーユに気付き、カイは彼女に顔を向けた。
突然、顔を向けられたネレヴェーユはびっくりして、動きを止めた。目を丸くする。
「ネリー、どうしたんだい? 驚いた顔をして」
穏やかに目を細めて、カイはネレヴェーユに声を掛ける。
「こちらにまだ顔を向けるとは思わなかったから、びっくりしただけよ」
顔を赤くして、ネレヴェーユは笑った。
「久し振りね、カエティス」
今にも泣きそうな顔でネレヴェーユはもう一度笑う。
「うん、久し振り。ネレヴェーユ」
普段から呼んでいる彼女の愛称ではなく名前で呼び、カイは微笑する。
「貴方が無事で良かった……」