BeAST



「刺々しいな弟くん」


顔を赤くするのは童貞と犀川。


「分かってる。お前ら2人の関係性を理解するのは不可能だってな」


それを分かってくれている時点で、ありがてえな。


「それを丞さんが呑み込んでんなら余計、俺たちが口を挟むことじゃない」


俺のわがままを1番呑み込んでくれている人。

それが申し訳なくて、愛おしくて堪らない。


他のやつらが口を挟む前に牽制してくれたのかもしれないな、慎矢は。


この兄弟は、不器用で、1度は道を逸れて、それでいて本当は優しい。


「よし、腹減ったな。中入ろうぜ」


俺の人生。


正当化できるものなんてひとつも無い。


恨みも沢山買ってる。


今後どうなるかなんて、分からない。


でももう、自分が傷つくことを恐れて逃げることはしない。自分が傷ついてでも、大切な人を守れる人間になりたい。


そんな素質ある人間じゃないってこともわかった上で。


それでも、俺は、愛されて生まれてきたのだと知ったから。


こんな俺でも誰かを愛せると、証明したい。



笑って、皆が俺の名前を呼んでくれるように。


人を傷つけて笑っていた〈化け物〉だった俺が、人を幸せにして笑える人間になれるように。


許されなくてもいい。

ただ、俺は


私はこの小さな幸せを守りたいと願う。








< 336 / 337 >

この作品をシェア

pagetop