BeAST




腹と頬も病院で手当てをしてもらい、腕と足の打撲、あとは擦り傷程度。



「なんで、こんな無茶したの。ひおらしくないんじゃない」


耀介は怒りすぎて黙ってる。

環が静かに問いただす。


「俺と喧嘩になった、つーか、俺が喧嘩ふっかけた柿谷ってやつ。昔の俺にそっくりでさ。俺が、環に救われたように、今度は俺が救う番なのかなって思って」


「それが、教室から飛び降りる理由にはならねえだろ」


ダメだ。

耀介の口調が少し荒れてる。



「悪い、心配かけた」


これは、一応謝った方が良いやつだな。


「ひおは、僕のことがあるから命を軽んじるようなことはないと思うけど、前に言ったよね。ひおは、自分を大切にしない時があるって」


……言ってました。


「僕が生きることを諦めようとした時、ひお怒ってくれたよね。それはなんで?そうするべきだからそうしたの?」


「違う」


「僕だってそうだよ。今、ひおを怒るべきだから怒ってるんじゃない。ひおが大切で、いなくなって欲しくない、その気持ちを分かって欲しいんだよ」


……何も言えない。


「ごめん、なさい」


「僕、ひおが2階から飛び降りたって聞いて、心臓痛かった。死んじゃうと思った。ひおも僕も」




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