魔力ゼロの出来損ないとして追放されましたが、二度目の人生は隣国の王家お抱えチート錬金術師になりました
 ノインの助言があったとはいえ、のけものにしているようで気になっていたから、アベルが笑って許してくれたことにほっとした。

アルトも乾燥した果物を、好きなだけ食べさせてくれるアベルが気に入ったようだった。私もノインもすぐに『食べすぎ』と止めるからね。

 平和な日常が戻ってくると、私はこれまで注力できなかった賢者の石の研究に取り掛かった。

「やっぱり、貴重な素材同士を組み合わせて作るのかな」

 塔の壁を埋める素材棚を見上げ、背後で魔道具を造るノインに話しかける。

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