BAR
会いたく無い場所で
pm4:50
里沙は書類をまとめ部長に提出し帰り支度をしているとこだった。
髪は長いストレート顔立ちもよく俗にいうキレイ系のお姉系だった。
友人も多く面倒見の良い彼女は周囲からの信頼も厚かった。

「あ!里沙先輩お疲れ様です〜今日どこか飲みに行きませんか?」

「ごめんなさい、今日は予定があって行けないわっ!また今度お願い出来るかしら?」

「もちろんです!」

「じゃあ今日はごめんなさい、お先に失礼します!」
お疲れ様でした、と一言残し里沙は会社を後にした。
一方会社の方では
「里沙先輩今日も定時に帰っちゃったね、やっぱり彼氏かな?」
そんな話しで盛り上がっていた時・・・・・・・

「失礼しま〜す」
キャ‐と女性社員の黄色い声が上がった。
男性陣はぎょっとして一瞬でそちらに振り返った。

そこにいたのはタンパツの髪、寝起きと見間違う無造作ヘア、目は二重で誰が見ても文句なし顔の男大滝憂が立っていた。

「あ・・・え〜っと営業からの書類ですけど−−俺何かしました?坂下部長?」

「いや・・・君は何も悪く無い、悪いねうちの女性社員が、君にだって彼女居るのにね・・・」

「え〜〜大滝さんの彼女とかうらやましい!」

とまたまた女性社員の黄色い声が飛んだ。

「ははっ!俺に彼女だなんていませんよ!
それよ俺そろそろ行かないと怒られちゃうので、坂下部長はいこれ!書類です。
そういや、今日もマドンナはいませんね?」
「岡室くんなら定時で帰ったよ!彼氏とデートなんじゃないのか?」

「ふ〜ん」

と一言だけ残し、おもしろくなさそうな顔をして帰って行った。


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