禁断の味はチョコレートのように
「別に取って食おうという訳じゃ無いよ。
ただもう一度君と会えるチャンスは欲しいと思って」
「私は不倫するつもりはありません」
翔太を睨むその目は強い意志を宿している。
それがどんなに相手を煽る行為か杏は気付いてなどいない。
「ここはね、短絡的な不倫を推奨する場じゃないんだ」
翔太の言葉に杏は不審そうな表情を浮かべたままだ。
「ここにいる男達はそれなりの立場で年収もある。
トラブルが起きれば結局の所お金で結局は解決しなければならないからね、男にはその資力が問われる。
女性としてはただ遊ぶ相手が欲しいのでは無くて、自分をより高い位置に引っ張ってくれる男が必要なんだ。
俺たちは素晴らしい女性といることで満足でき、彼女たちはいい男に愛されることで心を潤す。
男女とも現状に満足せず、この関係すらも使って上昇したい者達の集まりなんだ」
「そんなのは詭弁です。
結局不倫したいだけでしょう?
失礼します、私はそういうものに時間を割きたく在りません」
翔太がいるのをまたいででも席を出ようとした杏に、そっと翔太が肩に手を乗せる。