禁断の味はチョコレートのように


「不倫って刑罰だと何の罪になるのかな」

「罪になるに決まってるでしょう?!」

「だから警察に捕まるのかなって話」

声を大きくしてしまった杏が慌てて周囲を見れば、こちらを見ている人達がいることに気付いて恥ずかしさからその場に座り直す。

「警察には捕まらない。
そうだね、既婚者相手だと民事上の罪には問えるかな」

「詳しいんですね、経験済みですか?」

睨んでいる杏に、ははっと翔太は笑い飲みかけの赤ワインが入ったグラスを持って飲む。

「違うよ、単にここのメンバーなら知ってる知識だってこと」

「貴方も不倫を望んでいるんですよね?
奥様がこの事を知ったらどう思われるんでしょうか」

「俺は不倫という言葉は好きじゃ無い。
俺がしたいのはその女性に自信を持って貰うことだ。
ちなみに妻はこの事について承知している。
言ってみればお互いそのあたりは自由なんだ。

もう恋、愛というのを通り越してまさに人生のパートナーで、お互いが上に行くためなら、上にいるためのことならお互い干渉しないのがルール。
現に彼女は高額なエステに行くしそれこそ若い男とデートもする。
それで潤ってストレスも減って彼女は笑顔でいられる。
俺は歓迎しているよ」

杏は言葉が出なかった。
そんな夫婦の形があるのだろうか。
いや、そもそもでまかせの可能性が高い。
だってその証拠を出しようが無いのだから。

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