禁断の味はチョコレートのように
未だ警戒している杏に、翔太は余裕の態度だ。
そんなので簡単に信じる女ならここで終わり。
だが案の定彼女はこれだけの内容で信じてはいない、それが翔太に喜びを与えた。
「俺はね、君に色々な経験をして欲しい。
そしてもっと綺麗な女性になって欲しいんだ。
今でも素敵な女性だけれど、もっと君は輝ける。
俺にその手伝いをさせて欲しい」
「そんなことをして貴方に何のメリットがあるというのですか?」
嫌だというなら会話など切ってこの場を出れば良いだけなのに、杏はそう出来なかった。
橋本翔太という男が気になってしまっている、それを認めざるを得ない。
元彼のことで不倫なんて嫌だと思っていたのに。
こんな会は馬鹿げているし、相手だって嘘しか言っていない可能性の方が高い。
なのに、何故この人の目に惹きつけられるのだろう。
紳士のようで、そしていて獰猛な虎のような目をする男。
そんな目に自分が向けられていることが杏は怖いと思うと同時に、何故か好奇心を刺激されてしまう。
わかっている、私は彼が知りたいのだ。
ふ、と翔太が薄い笑みを浮かべた。