禁断の味はチョコレートのように
「もしかして子供っぽいって思ってる?
杏ちゃんはこういうところ好きじゃ無かった?」
お目当てのキリンの餌やりを見に行くために歩いていると、翔太が拗ねたような表情で杏に尋ねてきた。
「確かに動物園は以外だなって思いました。
来たのは子供の頃以来かも知れません」
「俺は水族館とか動物園とか好きなんだ。
一人でぼーっと猿山とか見てると、子連れやカップルから哀れんだ目で見られるけどね」
「一人で来るんですか?」
翔太がニヤリと笑う。
「一人だよ。女の子と来るのも始めて」
「初めてなのはここの動物園は、という事なんでしょうね」
杏の冷めた突っ込みに、翔太は笑うだけで答えない。
きっとこういう場所で日頃出来る男性が子供っぽい姿を見せられればそれはポイント高いよね。
杏は流されそうになりつつも、冷静な自分が状況を判断する。
これも彼の計算のうちだろう。
なのに彼のペースに流されてしまう。
いや、流されるのが心地良い。
それが杏は怖かった。