嘘つきは恋のはじまり✗ 恋の終わり???
涼と一緒に傘に入った
なんてことなかった
そんなことなくて…すごくドキドキした
付き合ってる時より何倍もドキドキした
涼は少し早足で
私もそれに合わせて歩いた
涼、ホントは塾で急いでたんだ
「塾、間に合う?」
傘を持つ涼を見上げた
「うん
芭は?大丈夫?」
傘の中で目が合う
久しぶりの感覚
ドキン…
「ん?私は大丈夫だよ
ぜんぜん急いでないし」
「そーじゃなくて、誰かに見られたら…」
涼が傘を深くした
「別に、そんな隠さなくても…
別れたって傘ぐらいいいじゃん
最後の1本だったんだし、仕方ないよ」
「芭は、誰かに見られたら困るでしょ」
「え?」
それは涼でしょ
「だって…
好きな人と上手くいってるんだろ
もぉ、付き合ってるの?」
「え???」
誰それ
好きな人なんてホントはいないよ
「祭りでみんなが見たって言うから…」
「祭り…?」
「浴衣で仲良さそうに腕組んでたって…」
「あ!アレは弟だよ!」
「弟…?」
「うん、弟が一緒にお祭り行こうって…」
「え…
弟と…キ…してた?」
「え…?」
「なんでもない…」
雨でよく聞こえなかった
「涼は、夏休み何してた?
お祭り行った?会わなかったね
海とか行ったの?
去年、行ったよね」
涼が夏休み誰といたのか
気になった
「祭りは、行かなかったよ
友達が誘ってくれたけど
まだそんな気になれなかったし…
海もどこも行ってない
ずっと塾にいたよ」
そっか…
やっぱり塾に気になる子いるんだ
今日もこれから会えるんだ
「涼、進路決めた?」
「うん、だいたい
芭は?地元離れるんだっけ?」
「うん」
「やっぱり行くんだ」
「受かったらね」
「オレは、やっぱり地元の大学いく」
「え?そぉなの?」
「うん、受かったらね」
ふたりで独り暮らしできたらいいねって
話してたのに…
涼が今好きな子は
こっちの大学に行くのかな?
だから?
「じゃあ、もしかしたらオレたち
卒業したら
もぉ一生会わないかもね」
一生会わない
そんなの
寂しいな…
「成人式とかは?」
「成人式か…
あ、芭の着物姿見たいな
祭りの浴衣も見れなかったし…
去年、今年はふたりで浴衣って
約束したよね?」
「うん」
涼も覚えてた
でも
約束も思い出も
全部
もぉ関係ない