聖夜に舞い降りた灼熱のサンタクロース
壁に近づいて耳を澄ませるも、聞こえてくるのは、友人の落ち着いた声と家族の素っ頓狂な声。

ドアからこっそり顔だけ出して見てみたら、案の定、質問攻めに遭っていた。


門前払いは避けられたけれど……内心、心臓バックバクだろうな。もし私が清水くんの立場だったら絶対声裏返ってる。


いたたまれない気持ちに苛まれながらも、聞き耳を立てて、出るタイミングをうかがう。

すると、少し冷静さを取り戻した兄が、「ところでさ」と話題を変えた。



「どうして、君はここに? 照未はどこに行ったの?」

「前田さんは今、服を取りに行ってます。実は帰り道に……」

「待って! それは私の口から説明す……っ!」



声を張り上げ、勢い良く部屋を飛び出した。

しかし、足元を見なかったせいでリュックにつまずき、体が前のめりになる。



「うわわわっ!」

「前田さん……っ!」



清水くんが受け止めてくれたおかげで転倒は免れたものの、またもや顔から突っ込んでしまった。
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