聖夜に舞い降りた灼熱のサンタクロース
小さく手を振り返すと、ドアが閉まった。階段を下りる足音が遠ざかり、沈黙が流れる。



「お兄ちゃん」

「なんだ」

「……怒ってる?」

「それは何に対してを指してるんだ」

「……色々と、全部」



積み重ねてきたものが多すぎるあまり、少々乱雑で抽象的な回答になってしまった。


勝手に家に入れて。勝手にタンスを漁って。

関係性を教えなかったのは清水くんの心の準備がまだだったからなのもあるけれど、それは私が気を遣わせる情報を教えたからで。


こそこそ隠さず、顔見知りだと判明した時点で話していれば、大事にならずに済んだはず──。

「ごめんなさい」と口にしようとしたら、ポンポンと頭を撫でられた。



「怒ってねーぞ。むしろ、嬉しかった」

「嬉しい……?」

「穏やかで礼儀正しくて。見た目は近寄りがたそうなお堅い雰囲気だけど、チャコちゃん……ワンコとも目線合わせて話してるしさ。照未にはこういう人が合うだろうなー、何かの拍子で知り合ってくれたらなーって、毎回会うたびに思ってたから」
< 150 / 243 >

この作品をシェア

pagetop