聖夜に舞い降りた灼熱のサンタクロース
真の理由は面接官しか知らない。グチグチ言ったところでもう終わったこと。大事なのは、同じ失敗を繰り返さないようにすることだ。

お兄ちゃんと彼女さんに面接の練習を頼んでみようか……。



「てるー、ちょっといいー?」



ハサミをペン立てに戻していたら、ドアをノックされた。

「はーい」と返事をして開けると、プラスチックの保存容器を両手に持った兄が立っていた。



「これ、食べていい?」

「あー、こっちの、肉じゃがはいいよ。こっちは明日のお弁当に入れようと思って作ったやつだから」

「マジか。ネタバレ食らった。これ何? ほうれん草?」

「うん。ちょっとお高めの醤油に浸けたから、リッチな味がするかも」

「へぇ、それは楽しみ」

「……」

「……」

「……お兄ちゃん」

「ん?」

「……また、ダメだった」



はははっと弱々しく笑みをこぼす。

このやり取りも3回目。封筒開封と同じ回数分繰り返されてきた。



「でも、今回は私にも落ち度があったから」

「そうなのか?」

「……面接対策、サボっちゃって。暇な時でいいから、練習させてもらっていい?」

「もちろん。いつでも力貸すからな」
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