聖夜に舞い降りた灼熱のサンタクロース
頼もしさと優しさを感じるセリフも、同じく3回目。「風呂先にどうぞー」と言い残すと、リビングに戻っていった。


外出と服装には逐一口出ししていた兄も、ここ最近はおとなしい。

特に就活に関しては、こちらから話題に出さない限りは深く言及してこない。



「……ありがとう」



ポソッと感謝を呟いて、お風呂に入る準備に取りかかる。


順風満帆だった人生とは言ったけれど、最初からなんでも上手くいくなんて、これっぽっちも思っていない。



『何もわざわざ家を出なくてもいいじゃないか』

『教育学部なら、地元にもあるじゃない』

『一人暮らしするなら、身の回りのことは全部自分1人でやるんだぞ?』



高3の夏。三者面談で第一志望を発表した日から、毎日のように両親とぶつかり合った。

夏休みに入ると、お盆期間を利用して、両家の祖父母も交えた家族会議が開かれた。祖父母もまた、両親と同じ意見だった。


6対1。圧倒的に不利になるのは予想していた。

それもそうだ。この人たちは誰よりも近くで私を見続けてきた。記憶に残っていない赤子の頃の姿も知っている。
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