年下男子は恋愛対象になりますか?
靴を履いて玄関のドアを開けると、夏の夜独特の匂いがした。

テンパって玄関から外に出ちゃったけど、ベランダでも良かったよね。まぁ、心を落ち着かせるには丁度いいか。

スマホを開いて近くのタクシー会社を検索する。何件か表示されたので、1番最初に記載されている所に電話をかけることにした。

「もしもし、すみません。タクシー1台お願いしたいのですが……。え、そうなんですか。分かりました」

電話から聞こえて来たのは、全て出払っていて今すぐ行くことが出来ないという謝罪の言葉。

「いえ、大丈夫です。失礼します」

再びスマホで検索して、2件目に表示された会社に電話をかける。

「由夏さん、電話終わりました?」

発信ボタンを押した時にドアが開いて隼人君が出て来たので、私は空いている手の人差し指を口にあてた。
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