年下男子は恋愛対象になりますか?
「な、なんでもない……!」

咄嗟に手を後ろに隠したけど、赤くなった顔は隠せない。

澄ました顔で「怪我した」とか適当に答えればいいだけなのに、自ら墓穴を掘ってしまった。

「あれれー?由夏、顔真っ赤だよ?急にどうしたのかなぁ?」

からかうように佑介が聞いてくる。
隼人君と一緒にいたの知ってるんだから、そんなこと聞いてこないでよ。

ここに母親がいないのがせめてもの救いだった。

「なんでもない!ちょっと怪我したから絆創膏貼ってるだけ!」

お願いだから、これでこの話は終わりにして。

「…………キモ」

佑介と対照的な表情をしている健太が、ボソッと吐き捨てる。

「き、キモくてごめんね!用が済んだならさっさと帰ってくれない!?」

「言われなくても帰るっつーの。佑介、帰るぞ」

「えー」

健太がドアの方を向いた時、ガチャっと玄関のドアが開いた。

「あら、お邪魔だったかしら?」
< 452 / 755 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop